【vol.9】“ひとづくり”という、本当の事業

経営を続ける中で、ふと気づいたことがあります。
「どれだけ“いい商品”をつくっても、それを届ける“人”が育っていなければ、その価値は伝わらない」
b-ternal シリーズを通じて、「理念ある商品」を届けるということの尊さと難しさを、私は痛いほど経験しました。
その中で、いつしかこう思うようになりました。
「私たちは、ヒトづくりこそが、本当の事業なんじゃないか」
愛と根気と、関係性と、信じる力──それがなければ、人は育たない。
私たちは、「売れる人」を育てたいわけじゃありません。
「信頼される人」を育てたい。
その人が語る言葉に温度がある。
その人が届ける商品に、人柄がにじんでいる。
そんな“人”がリアンにいたとき、商品を超えた“価値”が生まれると信じています。
でも──
人を育てるのは、本当に難しい。
言葉は届いても、心までは届かないことがある。
理念を語っても、それが「腑に落ちる」には、時間がかかる。
何度も伝えて、何度も迷って、
ときには一緒に涙を流し、ときには本気でぶつかり合う。
その繰り返しの中でしか、「人」は育たないと、私は思っています。
今、リアンでは社内に“教育制度”や“理念浸透”の仕組みを整えています。
でも、それだけでは足りません。
一番大切なのは、“関わり方”そのものです。
私たちが大切にしているのは、
テクニックでも、売上でもありません。
「在り方」そのものを磨くこと。
なぜなら、商品を届けるというのは、
最終的にはその人自身が「何を信じて生きているか」が伝わる行為だからです。
私は、社員や仲間にこう伝えています。
「私たちの最高の商品は、“人”や」
「どれだけすごい成分を使っても、それを語る“あなた”の姿勢次第で、商品の価値は変わる」
だからこそ、私たちは「ヒトづくり」に全力を注いでいます。
もちろん、非効率です。
時間もかかります。
即効性もありません。
でも、“一生モノの信頼”は、このプロセスからしか生まれないと私は信じています。
リアンの商品は、“信念”から生まれました。
でも、リアンの“信頼”は、“人の成長”によって育てられてきたのだと思います。
これからも、私たちは「人」にこだわります。
技術よりも、数字よりも、まず「人」。
“理念経営”の本質とは、「人の可能性を信じること」にある。
人が育つ会社は、絶対に潰れない。
人が輝くチームは、必ず広がっていく。
リアンが目指す未来は、こうです。
「理念ある人たちが、理念ある商品を届ける文化」
そしてそれが本当に実現したとき、
b-ternal シリーズは、“商品”ではなく、“思想”として残っていく。
私は、心からそう信じています。
[次章予告]
第10章|“続ける”という、最も困難な才能
── 理念を一貫してやり抜く。ブレずに積み重ねるという生き方。