【vol.7】“ほんまにいいもん”を、流行りにせず、文化にする

b-ternal BASEを発売してから数ヶ月。
巻物手紙、飛び込み営業、テレアポを通して、
共感してくださるサロン様も少しずつ増えてきました。
とはいえ、まだまだ軌道に乗ったとは言えない。
そんな矢先──
2020年4月。コロナ禍と、緊急事態宣言。
私たちの販路は、店舗事業者様への卸販売のみ。
それだけを信じて、そこにこだわって、やってきた。
でも、そのすべての店舗様が、一時休業を余儀なくされた。
業界では、次々とtoC(消費者直販)へのシフトが進み、
知り合いのメーカーさんたちも、toC(消費者直販)オンラインストアを開設していった。
私も、決断を迫られた。
「今、toCに変えるべきか?
でも、それは私がやりたかったことか?」
私は、自問自答しました。
「何のために、これをやってるのか?」
そして、出した結論はこうでした。
「今こそ、“販売店様にこそ”情報を届けるべき時だ」
店舗は閉まっていても、
情報は、動いている。
“会えない”今だからこそ、言葉と想いを届ける意味がある。
「来店がないから売れない」と諦めるのではなく、
むしろ、物販こそが今、お役に立てるときなのではないか。
そう考えて、私はオンラインセミナーを何度も開催しました。
これまでの営業活動でご縁をいただいていた方々、
過去に営業提案をしたまま時間が経っていた方々。
その方々が、画面越しに再び集まり、話を聞いてくださった。
そして、こう思ったんです。
「この状況は、“逆境”じゃない。
むしろ、理念が“順境”に変わるチャンス!」
■「流行」ではなく、「文化」にする。
これは、私の覚悟です。
リアンが届けたいのは、ただの健康商品じゃない。
それは──
お客様の“人生の選択”に関わるもの
使う人の“生き方”を支えるもの
だからこそ、
“正しいもの”を、正しいかたちで届けたい。
安易に値下げではない。
誇張もしない。
“映える”パッケージも使わない。
売れる理由があることも、分かっている。
市場が求める言葉を使えば、数字も変わるかもしれない。
でも、それが“本質を削る”なら──やらない。
“理念を濁す”表現になるなら──拒む。
「100年後も残っている“思想”って、どんなものだろう?」
■文化は、“遅れて広がる”
文化は、一瞬では生まれない。
「続ける人」がいて、「伝える人」がいて、初めて文化になる。
たとえば──
利益率を上げるための素材変更
SNSでバズる事だけを意識した商品設計
価格帯を落として市場を広げる提案
そういった話も、実は何度もいただいてきました。
でもそのたびに、自分に問い返してきました。
「私たちがやりたいのは、何だったっけ?」
「“リアンの商品は、ほんまに信頼できる”って言われることじゃなかったか?」
商品開発は、ビジネスモデルではなく、
「どんな思想を、未来に手渡すか」という仕事やと思っています。
私たちの理念は、「一隅を照らそう」。
その理念に背く商品は、
絶対につくらない。
「売る」のではなく、
「祈るように、灯すように」──届ける。
だから、うちの商品は、誰にでも合う商品ではないかもしれない。
でも、
「この商品じゃなきゃダメなんです」
そう言ってくださる方が、一人、また一人と、増えてきた。
それが、何よりの証明です。
「流行」ではなく、「文化」にする。
これは、言葉で言うほど、簡単なことではありません。
毎日の選択の一つひとつに、重たくのしかかる覚悟が要る。
でも、私はこう思っています。
「文化になるものは、いつの時代も、“遅れて広がる”もの」
派手さはない。
即効性もない。
でも、心にじわっと残る。
そして、本当に必要な時には、必ず選ばれる。
私たちは、そんなものを届けたい。
そのために、今日も変わらず、
「本質」を、追い続けています。
[次章予告]
第8章|“理念経営”という、果てなき挑戦
── 流通でも、販路でも、雇用でも。理念を最後まで守るという覚悟。