【燕vol.5】あのツバメじゃなかった!? ──日本の燕と“ツバメの巣”をつくるアナツバメの正体

【燕vol.5】あのツバメじゃなかった!? ──日本の燕と“ツバメの巣”をつくるアナツバメの正体
目次

あのツバメじゃなかった!?──日本の燕と“ツバメの巣”をつくるアナツバメの正体

こんにちは、時 昴です。
「ツバメの巣研究室」第6章では、“日本の燕”と“アナツバメ”の違いについてお話しします。


■ 「ツバメの巣」って、あのツバメじゃないの?

よく聞かれます。
「ツバメの巣って、玄関先につくるあの巣のことですか?」──と。

実は、まったく違う“別種”の鳥が作っているのです。

■ 正体は「アナツバメ」──唾液で巣をつくる特殊な鳥

本物のツバメの巣(燕窩)を作るのは、「アナツバメ(swiftlet)」という東南アジアに生息する野鳥。
彼らは唾液だけで半透明の巣を作ることで知られています。

この唾液は、特殊な分泌腺から出されるジェル状の物質で、空気に触れると固まり、ぷるぷるの“可食性巣材”になるんです。

■ 比べてみよう:日本のツバメとの違い

日本のツバメは、泥や枯れ葉、ワラなどを集めて作る巣が特徴。
私たちの家の軒先などにも巣をかける、あのかわいらしい姿です。

でも、アナツバメはまったく別の生物学的種
見た目は似ていても、行動、生息地、構造すべてが違います。

たとえるなら、スズメとツバメほど違うと言っても過言ではありません。

■ “食べられる巣”はアナツバメだけ

泥と草の巣は、当然ながら食べられません。
一方、アナツバメの巣は清潔で栄養価も高く、美容・薬膳素材として高く評価されています。

つまり──
「美容に良いツバメの巣」=「アナツバメの唾液巣」ということです。

■ “唾液”と聞いて驚いたあなたへ

確かに“唾液”と聞くと抵抗があるかもしれませんが、
実際は高度な清浄プロセスを経て、食品衛生やナノ加工技術によって高品質に仕上げられています。

プロとして正しく伝えるためには、この違いを知っておくことが何より大切です。


📌 まとめ

“ツバメの巣”と呼ばれる美容素材。
でも、実は日本の燕ではない
アナツバメという特殊な鳥の唾液が生んだ天然の宝物なのです。

素材の背景を知ることこそ、正しい選択と信頼につながります。

📩 次回予告|

次回は、「アナツバメはどこに住んでいるのか?」
その生息環境や、産地との深い関係性について解説していきます!

時 昴
記事を書いた人
時 昴さん